宮城の地元紙に時折「札仙広福」という文字が載ります。いずれも地方の政令指定都市、つまり札幌・仙台・広島・福岡をさしています。何かといえば意識するライバルであり、仲間ということでしょうか。 スポーツという視点では経済同様、やはり規模の大きい「札幌・福岡」には国際大会の開催実績、さまざまなプロチームの実力などで一日の長があります。特に野球では共にパリーグのAクラスで優勝争いをするチームを保持しており、それぞれのホームスタジアムには熱狂的なファンの姿が数多くみられます。そのあれこれについてはまた、機会をみつけて書いてみるつもりですが、今回は人口が116万人と仙台に近い「広島市」をテーマにしたいと思います。
この元旦は群馬で開催された実業団駅伝をテレビで楽しみました。そこで目立ったのが最終的に2位となった「中国電力」をはじめとする広島に拠点をもつチームのがんばりでした。かつての広島東洋カープの例も含めて広島のスポーツはこうした実業団チームがリードしている印象があります。実際「TOPSひろしま」という、種目をこえたスポーツ振興のための組織の顔ぶれをみると「JTサンダース・湧永ハンドボールクラブ・広島メイプルレッズ・広島ガスバドミントン部・NTT西日本ソフトテニス部・中国電力陸上競技部・コカコーラウェストレッドスパークス」など、実に多彩な種目の実業団チームが顔をそろえ、かつ、そのそれぞれが日本のトップクラスの実力を誇っています。
全国的には経営不振などにより多くの実業団のスポーツクラブが休部や廃部に追い込まれている中で、これはやはり注目すべき事実です。このほかにプロスポーツとして野球とサッカーがあり、こちらは現在市民チームの印象が強くなっています。(さすがに成績という点では資金力が他のチームほどないこともあり、仙台同様厳しい状況ですが、外からの印象としては地元選手を育成しようという一貫した姿勢が強く感じられます)
そして、ボランティア。全てではないものの「サンフレッチェ広島」や「TOPSひろしま」のかかわる大会については行政が組織している「広島市スポーツ協会」から、ボランティアが参加しています。H18年実績では延べ1,783人が活動、なかなか特異な運営形態をとっています。また、この組織には区単位で「スポーツ振興地域コーディネーター」が活動しており、現状や課題を踏まえてボランティアの育成などに取り組んでいます。強い実業団と、独特のささえる仕組み、これらがどのようにネットワークをつくり成長していくのか楽しみです。
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